カテゴリ:売却について / 投稿日付:2026/09/26 09:43
不動産を売却していると、購入希望者から「この物件を購入したい」という申し込みが入ることがあります。
売主様にとっては、購入希望者が現れたこと自体はうれしいことですが、「購入申込書を受け取ったら、必ず売らなければならないの?」「売買金額以外に何を確認すればいい?」「住宅ローンを利用する買主の場合は大丈夫?」など、疑問や不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
購入申込書には、売買金額だけではなく、手付金や契約日、引渡し時期、融資利用の有無など、売却を進めるうえで重要な条件が記載されています。
今回は、不動産売却における購入申込書の内容や注意点について、売主様が確認しておきたいポイントを解説します。
不動産売却の購入申込書には何が記載されている?
不動産の購入希望者が現れると、購入希望者から購入申込書を提出してもらい、その内容を売主様にお渡しします。
購入申込書には、購入希望者がどのような条件で購入を希望しているのかが記載されています。
主な内容として、まず確認したいのが売買金額です。
売主様が希望している売却価格と、購入希望者が提示している金額が一致しているとは限りません。購入申込書に記載された購入希望金額を確認し、売却条件を検討することになります。
また、売買金額以外にも、次のような条件が記載されています。
- 手付金の額
- 契約日
- 引渡しの時期
- 融資を利用するかどうか
そのため、購入申込書を確認するときは、単純に「いくらで売れるのか」だけを見るのではなく、契約日や引渡し時期、手付金、融資利用の有無なども含めて総合的に確認することが大切です。
購入申込書を受け取ったら必ず売らなければいけない?
購入希望者から購入申込書が提出されたとしても、売主様が必ずその条件で売却しなければならないわけではありません。
購入申込書は、あくまで購入希望者の意思表示です。
そのため、購入申込金額やその他の条件を確認したうえで、売主様が契約するかどうかを判断することになります。
たとえば、購入希望金額が売主様の希望する金額と合わない場合や、引渡し時期などの条件が合わない場合には、その条件では売却しないという判断をすることもできます。
つまり、購入申込書が提出されたからといって、直ちに売買契約を締結しなければならないというものではありません。
購入申込書に記載されている金額だけでなく、契約日・引渡し時期・手付金・融資利用などの条件を総合的に確認することが重要です。
購入申込書を受け取った後は早めの判断が重要
購入申込書を受け取った後、「いつまでに返事をしなければならないのか」と気になる方もいると思います。
台本の内容では、購入申込書を受け取った後の判断について、いつまでに決めなければならないという決まりがあるわけではありません。
ただし、購入希望者にも購入するかどうかの意思があります。そのため、売主様側で検討に時間がかかりすぎると、その間に購入希望者の気持ちが変わってしまう可能性があります。
購入申込書の条件に納得できるのであれば、なるべく早い時期に決断し、契約に進めることが勧められます。
特に、売買条件について問題がないと判断できる場合には、早めに契約へ進めることが重要になります。
購入申込書で確認したい「手付金」の注意点
購入申込書を確認する際、売買金額以外にも重要なポイントがあります。その一つが手付金の額です。
不動産売買では、手付金を放棄することで契約を解除できる「手付解除」があります。
そのため、手付金の額があまりにも少額の場合、手付金を放棄することによる解除のハードルが低くなってしまいます。
また、手付解除によって契約を解除する場合であっても、すでに売買契約が成立していることに変わりはありません。そのため、仲介手数料が発生することがあります。
特に注意したいのが、手付金の額と仲介手数料の関係です。
手付金が仲介手数料よりも少ない場合、契約解除となった際に、手付金だけでは仲介手数料をまかなえず、売主様側から持ち出しが必要となる場合があります。
このように、購入申込書を確認するときは、売買金額だけでなく手付金の額がどの程度なのかについても確認しておくことが重要です。
融資利用の購入申込書で確認したい「ローン特約」とは?
購入希望者が住宅ローンなどの融資を利用する場合には、融資に関する条件も確認する必要があります。
一般的に、融資を利用する場合には「ローン特約」を付けます。
ローン特約とは、売買契約を締結した後、買主様が融資を申し込んだものの、万一融資が否決された場合に、契約自体を白紙にするための特約です。
白紙解除となった場合には、手付金を買主様へ返却する必要があります。
売主様にとっては、契約まで進んだ後に融資が否決され、契約が白紙になる可能性があるため、融資利用の有無やローン特約について確認しておくことが重要です。
では、契約前に融資の申し込みをして、融資が通ることを確認しておくことはできないのでしょうか。
融資の申し込みには、重要事項説明書や売買契約書が必要となるため、契約前に本審査の申し込み手続きを行うことはできません。
ただし、事前審査を行い、承認を受けておくことで、融資に関するリスクを軽減することができます。
そのため、購入申込書を確認する際には、購入希望者が融資を利用するのか、また事前審査の承認を受けているのかを確認することも重要なポイントになります。
購入希望者が複数いる場合はどうなる?
売却活動を行っていると、同じ物件に対して複数の購入希望者が現れるケースもあります。
その場合、基本的には購入申込書を提出した順番で交渉を進めていきます。
ただし、購入希望者ごとに購入金額や手付金、契約日、引渡し時期、融資利用の有無など、それぞれの条件があります。
そのため、単純に申し込みの順番だけを見るのではなく、それぞれの条件を確認しながら、より良い条件になるように交渉を進めていきます。
売主様としては、複数の購入希望者が現れた場合にも、それぞれの購入申込書に記載された条件を確認することが大切です。
まとめ|購入申込書は金額以外の条件も確認しましょう
不動産売却において購入申込書が提出されることは、購入希望者が具体的な条件で購入意思を示したということです。
ただし、購入申込書を受け取ったからといって、必ずその条件で売却しなければならないわけではありません。購入申込金額やその他の条件を総合的に確認し、売主様自身が契約するかどうかを判断することになります。
特に確認しておきたいのが、手付金・契約日・引渡し時期・融資利用の有無です。
手付金については、手付解除との関係に注意が必要です。手付金が少額の場合、手付解除のハードルが低くなる可能性があります。また、契約解除となっても仲介手数料が発生するため、手付金が仲介手数料を下回る場合には、売主様の持ち出しが必要となる場合があります。
融資を利用する買主様の場合には、ローン特約についても確認が必要です。契約後に融資が否決された場合、契約が白紙となり、手付金を返却する必要があります。事前審査の承認を受けているかどうかを確認することも、リスクを軽減するうえで重要です。
購入申込書は、売買金額だけを確認する書類ではありません。記載されているさまざまな条件を確認したうえで、契約へ進むかどうかを判断することが大切です。
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この記事の執筆・監修
飯山 圭介
イイヤマ ケイスケ / 宅地建物取引士
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